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あなたには私がついている。Matsuricon 2023でナノが伝えたかったこと
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ナノはファンに、あることを伝えようとしている。それは、誰しも決して孤独ではないということだ。自分が無価値に思えたり、どこにも帰属していないように感じられたり、内面に葛藤を抱えていたりといった人間の弱みは、独りで抱え込むと耐え難い苦痛になることがある。ナノの曲は、人生の意味を見失うような孤独による苦痛や苦悩の緩和剤になることを目的に書かれているように思われる。
ナノは、自分に自信が持てなかった子ども時代の記憶や、自分を疑ってしまった時期について語っている。そして、若者が感じるこうした弱みを克服するにあたって、音楽が助けになったという。ナノは、人生では定めとして多くの困難が立ちはだかるが、こうした困難を克服することは可能だというメッセージを伝えようとしている。このメッセージを、音楽を通して世界に発信しようとしているのだ。
そこにナノが込めている感情がどれほど深いものであるのかは、本人が自らをさらけ出して語った以下の言葉を読めばわかるだろう。
「私は子ども時代を通して、自分という人間をなかなか受け入れられませんでした。常に自分を周囲の人間と比較してしまって、自分は誰よりも劣る存在だ、そして自分には帰属先がない、と感じていました。
私は自分自身にラベルを貼り付けて、それを外の世界のせいにしていたのです。
でも、自分自身の自信のなさを世界のせいにしていたことこそ、私があれほど苦しんでいた原因、そして私があれほど孤独だった原因だったのです。
自分の自信のなさと対峙して、克服する方法が必要でした。だから、私は作詞と歌を始めました。
そうすることで徐々に自信が戻ってきて、また外の世界や人々と繋がりを持てるようになりました。それに、私と全く同じように、内面で自分と格闘している人が本当にたくさんいるのだとも気づきました。実際、私よりも苦しんでいて、私よりはるかに助けを必要としている人もいるのではないでしょうか。
こう気づいたことで、私は考え方が変わりました。自分で声を上げて、自分の殻を打ち破って、皆さんにメッセージを届けよう、と考えるようになったのです。」
これほどまでに生の感情を正直にさらけ出してくれるロックミュージシャンは、他にはあまりいない。ナノは、自分にラベルを貼る必要はないと考えつつも、ラベルを貼ることで答えを探し求めている他の人々に仲間意識を感じてもらえることもあると認識している。そしてナノは、ファンと直接触れ合う中でも、トンネルの先には光があるというこの希望のメッセージを伝えようとしている。オハイオ州コロンバスで2023年8月に開催されたアニメイベントMatsuriconにて、ナノは2日間レジデンシーを行った。そこでは、ナノが実際に自分から全てのファンに全力で向き合う、誠実な姿が見られた。
ナノを呼べば忘れられないロックショーを期待できるということは、どのアニメイベントの運営側もよく知っている。しかし、それだけではなく、ナノは全てのファンに有意義かつ得るものがある体験を確実に届けるために全力を尽くしてくれるパフォーマーであるということも、運営側に知ってほしい。
Matsuriconでは、メインホールにて、何人かのミュージシャンによるライブパフォーマンスが行われた。ナノは土曜日午後に出演した。他の出演者は、YouTubeで人気を博したミュージシャンで、滑稽な海賊の舟歌やアニメのテーマ曲のカバーを歌っており、確かにチャーミングではあったが、ナノのパフォーマンスはそれと比べて、はるかにプロフェッショナルかつはるかにエキサイティングなものだった。
Matsuricon全体を通して、ナノとファンの間で気持ちが通っていることは明らかだった。何人かの来場者は、ナノを見るためだけにMatsuriconに来たと語っていた。ナノのコンサートの聴衆の年齢層は、少なくとも50歳の幅があった。平均は21から25歳のようだったが、オーディエンスには、小学生の年齢の子どもたちから、ポール・リヴィア&ザ・レイダーズ、ビートルズ、そしてボブ・ディランを聴いて育った年齢層が高いファンもいた。
若い年齢層のオーディエンスの1人に、インディアナ州南部出身の若手シンガーソングライターClov4r(インスタグラム: @clov4r.official )がいた。漫画『NANA』の小松奈々のコスチューム姿のClov4rは、大変チャーミングで人を惹きつける女性だ。そして、ナノがMatsuriconでファンをどのように喜ばせていたのか、様々な角度から語ってくれた。Clov4rは、「ナノがMatsuriconに来るという情報を目にした時には、とても興奮しました。日本人のミュージシャンを生で見られるチャンスが巡って来るなんて!米国中西部では、こうしたミュージシャンをゲストとして迎えられることはほとんどありません。だから、貴重な機会だったのです。Matsuriconまでは、私はナノの曲をたまに聴くくらいの感じでした。しっかり聴いたことがあるナノの曲は2曲だけでしたから。でも、Matsuriconでナノに出会ってからは、本物のファンになりました」と語る。
ナノは、本当にセンセーショナルな歌声の持ち主で、その歌声を巧みに操って、絶望、希望、渇望、喜び、そしてその他にも無数の感情を込められる。ナノは無限のテクニックを持っているようで、それを通して歌詞に様々な色をつけられる。例えば、多くの感情を宿したハードストップ、意外なクレッシェンド、官能的に喘ぐようなブレス、心臓を引き裂くようなブレス、抑制の外れた歓喜の叫びなどだ。こうした瞬間は、ナノ自身が歌詞と向き合う中で、有機的に現れ出て、オーディエンスを釘付けにし、熱気を高める。こうした瞬間は、先に筋書きを計画してできる芸当ではない。ナノが燃えるように歌詞の意味に陰影をつけていく様は、ナノがソーシャルメディアで行う生配信で、ファンのリクエストに応えて「magenta」や「Nevereverland」をその場でアカペラで歌ってくれる際に、よりはっきりと確認できる。
日本には、素晴らしい女性のボーカリストが文字通り数十人存在している。そのほぼ全員が、その信念を高いレベルで情熱的に歌い上げてくれる。それでも、ナノのようなボーカリストは他にはいない。ナノの情熱的で興奮をそそる歌声は、ある意味で磨き上げられた青銅のようだ。ナノの歌声の声質、つまり歌声から感じられる音の特徴には、ある種の温かさがあり、この温かさによって、ナノの歌声は幅広い生の感情をより効果的に伝えられる。どのアルバムのどの曲を聴いても、驚くような啓示的瞬間を耳にできる。Matsuriconのコンサートを通してしていたように、ナノがこうした瞬間をライブパフォーマンスでも披露できるというのは、まさに特筆に値する。
ナノのパフォーマンスは午後3時開始予定だった。しかし、その2時間半前にはすでに、ナノのショーを見ようと待ち行列ができ始めていた。ピッツバーグから来た若い男性は、ナノの「No pain, No game」を11歳か12歳で初めて聴いた際に、ナノから大きな影響を受けたという。「When you feel you’ve reached the last dead end/What will you do to save yourself from fate?(最後の行き止まりにぶち当たってしまったように感じる時、あなたはどのようにして自分を運命から救うのだろうか。)」という歌詞が人生を変えたと、この男性は語ってくれた。
こうした体験は、特に感情に訴えかけてくるものだった。実際に、何人かの若者が、苦悩を抱えて人生で苦しんだ際に、ナノの曲から戦い続ける決意をもらえたと語っている。
ナノの土曜日午後のコンサートは、この週末最大のイベントとなった。ライブパフォーマンスには、どれだけ録音、マスタリング、そしてミキシングの品質が高いスタジオ録音であっても敵わない、特別な何かがある。ライブだと、アーティストに隠れ場はないし、ファンとの距離は文字通りわずか数フィートしかない。それに、ライブパフォーマンスには、スタジオ録音とは著しく異なる、サプライズと魅力に満ちた違いがあることもある。Matsuriconのナノは、普段のスタジオ録音では用いないような、粒状感のある歌声を、各所でスリリングかつ鮮やかに披露してくれた。2013年のライブアルバム『Remember your color.』でも、紙やすりで擦ったような素晴らしい歌声を折々で披露していた。
Clov4rは、今回のコンサートの感想を、次のように語っている。「ナノのコンサートは素晴らしかったです。ナノのライブでの歌声は本当に素晴らしく、ステージ上でとても大きな存在感を放っていました。ナノのパフォーマンスは、耳でも目でも存分に楽しめました!また、ナノはコンサートで、オーディエンスに対して、率直に語りかけてくれました。この率直さにも感銘を受けました。ナノは、それぞれの曲の意味を説明し、リスナーに対して数多くの心温まるインスピレーションに満ちたメッセージを伝えてくれました。オーディエンスに対して、自由に感情を表現しながら音楽を楽しんでほしいというのです。歓声をあげたり、踊ったり、叫んだりしてもいいよと、笑顔で呼びかけていました」
「ステージ上でとても大きな存在感を放っていました」というのは、まさにナノのパフォーマンスにぴったりの表現だ。ナノのパフォーマンスは、事前録音されたバッキングトラックを伴奏として使っていたため、まさにソロパフォーマンスという形式だった。ライブバンドなしで歌うのは簡単ではないし、特にナノ自身が語っているようにサウンドチェックが「荒い」状態では余計に難しいはずだ。しかし、独りでステージに立ったナノは、どこから見ても堂々としたロックスターだった。ナノは胸を張って歩いたり、ポーズを決めたり、髪をかき上げたりしていた。「ロックショーが見たい?ロックショーを見せてあげるよ」
ナノは、ショーのMCセクションにも、好感を持てる、人を惹きつけるような態度で臨んでいた。最後の曲では、4人のファンがステージに上がり、曲に合わせてひょうきんなダンスを披露した。さらにファンには嬉しいアンコールもあった。オープニングアクトを任されたブランドン・マッキニスが、ナノとともにステージに戻ってきたのだ。
Clov4rは、ナノから受けた影響を次のように語っている。「私は数年前、Pandoraでナノのことを初めて知りました。初めて聴いたナノの曲は『KALEIDOSCOPE』です。私は若手ミュージシャンですから、カバーしたい曲や自分にインスピレーションをくれる曲を求めて、いろいろな曲を聴いています。この曲を聴いた時には、サウンドが本当に気に入り、曲のメッセージもとても気に入ったのを覚えています。『strength to light the way(道を照らすための覚悟)』を見つけるという考え方は、今の私にもしっかりと染み付いています。また、ナノの『No pain, No game』も聴きました。この曲も、すぐにお気に入りになりました」
Matsuriconの幕が開けるまでは、ナノは土曜日に何曲かを披露して、いずれかのタイミングでQ&Aセッションを開くだけだろうと見られていた。ほとんどのファンなら、それだけでも満足だっただろう。しかしナノは、金曜日のオープンングセレモニーと日曜日のクロージングセレモニーでも姿を見せ、土曜日のコンサートでは燃えるようなパフォーマンスを披露し、その後公式のサイン会まで行った。
そして日曜日には、ナノはまるまる1時間のQ&Aセッションを開いて、ファンからの質問に答えた。Q&Aの後、ナノは、メインの展示ホールに設営されたFakeStar(ナノが米国で所属先としている事務所)のブースにて、セットリストやポスターのオークションで司会を務めた。さらにその後、ナノは追加のサイン会を開き、最後には個別の写真撮影セッションを行った。Q&Aセッションや日曜日のサイン会の待ち行列にいた人の多くは、土曜日に偶然コンサートを聴きに行くまでナノのことを一切耳にしたことがなかった。つまり、一瞬で熱心なファンとなっていたのだ。
ナノは、この日程の全てを、米国東部夏時間に合わせて行った。ナノがコロンバスに到着したのは、木曜日の午後のことだった。海外渡航の経験が多い人ならわかるだろうおが、ニューヨーク市とロンドンの間の5時間の時差でも辛いことがある。RaijinRockは何年も前にエジプトのカイロで知ったのだが、ビジネスの出張先で、立ち話をしている最中に眠りに落ちて転びそうになったという人の話も聞く。ナノは、東京とコロンバスの間の13時間の時差を乗り越えて、Matsuriconでの日程をこなしたのだ。すごい!
つまり、ナノの土曜日午後のパフォーマンスは、東京時間でいえば午前4時だったということだ。もちろん、ライブパフォーマンスということで、アドレナリンでエネルギーが漲っていたというのは間違いないだろうが、それでも大変な疲労だったはずだ。さらに、ナノのソーシャルメディアを見ればわかるのだが、ナノは週末の4日間を、甘すぎるアメリカのヨーグルト(そう、国辱レベルの甘さだ)しか食べずに乗り切ったのだ。
日曜日のナノのQ&Aセッションは、特に学ぶところの多いものとなった。ナノには、自身が書いた歌詞で取り上げられている考え方や主題についての質問が寄せられた。例えば、曲に登場するキャラクターとナノ自身のアイデンティティーとの間の関係性についての質問があった。それに対してナノは、「私はファンに本当の感情を見せる責任を負っていると思っています。だから、歌詞には自分を込めなければなりません」という主旨の回答をしていた。アーティストに求められる誠実な態度を、ナノはまさに体現しているのだ。
驚くべきことに、ナノはフォーマルなボイストレーニングを受けたことがない。ナノが駆け出しの頃に直面した問題の1つに、いかにしてライブパフォーマンスに耐えうる声のスタミナをつけるかという問題があった。初めは4曲を歌い切るだけでも大変だったというのだ。パフォーマンスに必要なスタミナをつけるには、決意と努力が必要だった。ナノは、全力を尽くすこと、そして自分にできる全てを出し切ることのの大切さを、何度か語っている。例えば、ナノは子どもの頃、ローマ字を使って日本語の歌を練習していた(ナノは生まれも育ちもニューヨーク市だ)。ナノの日本語は完全に流暢で、漢字の読み書きもできるが、依然として英語が「私の心の言語」だとナノはいう。
Q&Aセッションで、ナノはある笑い話をしてくれた。最近Twitterを開いたところ、ページトップに「X」ロゴが表示されていた。それが自身のデビュー10周年ロゴに酷似していたため、ナノは「トップページを自分に合わせて変えてくれたのか」と思ったそうだ。しかしその後、Twitterのオーナーがサイト名をXに変更して、ナノが使っているのとほとんど同じフォントを使い始めたということを知った。「私のデビュー10周年シャツの背中には、Xと書いてあります。だから、着るたびにツイッターのオーナーの宣伝をしているみたいな感じになりました」
ナノのQ&Aセッションに関して特筆すべきことの1つに、ナノが質問を起点にしてオーディエンスと誠実な対話を展開していったことが挙げられる。「どのアーティストとコラボレーションしたいですか」と聞かれた際には、ナノはすぐにオーディエンスに対して、「どのアーティストとコラボレーションすべきだと思いますか」と聞き返した。同様に、「あなたの曲の中で正当な評価を最も得ていない部類の曲はどれですか」と聞かれた際には、「私の曲の中で正当な評価を最も得ていない部類の曲はどれだと思いますか」と聞き返した。ナノは質問を避けていたわけではない。なぜなら、常に進んで自分をさらけ出すような回答もしてくれていたからだ。質問を避けているのではなく、ナノは常に学んで成長したいという気持ちを見せてくれていたのだ。
Clov4rもこれに気づいていたようだ。「翌日のQ&Aでも、ナノの姿勢は同じでした。心の優しさが本当に伝わってくるような配慮、そして来場者と交流したいという誠実な気持ちを見せてくれました。自分のことだけを話したいようには見えませんでした。質問に答えつつ、ナノからもファンに質問していました。ナノは、Q&Aセッションを対話の場に変えていたのです」というのだ。
Clov4rは次のように付け加える。「また、ナノが来場者に対して、何を聴きたいか、次のパフォーマンスではナノのどの曲を披露してほしいかを尋ねていたのもいいなと思いました。びっくりしたのですが、このフィードバックの後、ナノのDiscordには『みんなの夢のセットリスト』というチャンネルが開設されたことに気づきました。ファンがこの対話を続けて、ナノに披露してほしい曲を提案できるチャンネルです。これは、ナノのオーディエンスへの高い関心、そして繰り返しになりますがオーディエンスと交流したいという誠実な気持ちの現れだと、私は感じています。とても感銘を受けました」
ナノのファンとの交流は、無理に行っているものや、うわべだけで行っているものには、決して見えなかった。土曜日と日曜日にサイン会に並んだ全員が、ナノに何か個人的な話をしたがった。ナノはそれぞれの人に時間をとって、アイコンタクトをしながら、誠実な関心を持って対応していた。驚くべきことに、ナノは以前交流したことがある人を覚えていた。
Clov4rもこれに気づいていたようだ。「Q&Aセッションの後、私はナノの交流会に参加し、一緒に写真を撮ってもらいました。Q&Aセッションに来てくれてありがとうと、ナノにいわれました。それに、これからも音楽づくりを続けていくように再度背中を押してくれました。とても優しい人だと思いました。今ではこの写真を、自宅のレコーディングスペースに飾っています。音楽づくりを続けていくようにというナノのアドバイスを思い出すためです」
Clov4rは、ナノとの交流から受けた影響を、巧みに言語化している。「個人的に、私はもちろん若手歌手である私にナノがくれた返答に感銘を受けました。日本語の歌詞を歌う際にどうすれば日本語がうまくなるか、そしてどうすれば自分の音楽をもっと多くの人に聴いてもらえるかを尋ねました。それに対してナノは、建設的なアドバイスをくれました。練習している曲の中の日本語の部分を注意深く聴くように、そしてストリーミングプラットフォームをもっと活用するように、というのです。それだけではなく、ナノは私個人をとても勇気づけてくれるような答え方をしてくれました。私自身の歌声や物事のやり方を受け入れるように、そして視聴/ストリーミング回数が少なくても私の音楽やコンテンツを世に出し続けるように、といってくれました。何がヒットするかわからないから、とにかくやり続けること、そして諦めないことが重要とのことでした。プロからこうした返事をもらえたことが、私にとっては大きなインパクトになりました」
ほとんどの日本人ロックスターは、最も熱心なファンに対しても、謎めいた存在だ。ソーシャルメディアではコンサートの告知とTシャツやプロモーショングッズの宣伝しかしないという人も多い。ナノはこの型を完全に打ち破っている。ファンと交流し、ファンから学ぼうとし、自分の苦悩をさらけ出し、ファンを支える姿勢を見せるナノは、まさに無二の存在だ。
2023年の夏、ナノはダラス、リオデジャネイロ、ベルリン、そしてコロンバスのアニメイベントでパフォーマンスを披露した。さらに近日中には、フィリピンとドイツのカッセルのイベントに登場する。後者は、ライブバンドとともに出演する予定だ。もちろん、ナノが伝える希望とパワーに満ちたメッセージは、世界のどこでも人々の心を掴む。ナノは間違いなく、若者、特に学生や若手ミュージシャンと交流を続けて、インスピレーションの源泉であり続けるだろう。
ナノほど自分を強烈にさらけ出しながらファンと交流するロックアーティストは、他にはいないかもしれない。ナノは、2013年のライブアルバム『Remember your color.』の末尾で、何度も「I love you; I love you; I love you(みんな大好き、みんな大好き、みんな大好き)」と叫んでいる。これは強烈な叫びだが、この愛の叫びは誠実なものだ。それは、ナノが10年後にファンとの交流に全力を注いでいる姿勢からも明らかだ。
Clov4rは、ナノから受けた影響を次のようにまとめており、そこからはナノのメッセージに宿るパワーが伝わってくる。「まとめると、私はナノのことを最低限しか知らずにMatsuriconに行きましたが、帰る頃にはアーティストとしても人間としてもナノが大好きになっていました。他の人たちも、ナノの音楽とメッセージに出会って、これらを楽しんでくれればいいなと思います。将来、ナノの曲のいくつかをカバーすることを楽しみにしています!」
Matsuriconでのナノについて詳しく語ってくれたClov4rに深く感謝している。ぜひInstagramの @clov4r.official でClov4rをフォローしてほしい。
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