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BRIDEARは、素晴らしさに圧倒されてしまうほどの新アルバムをリリースし、その後、一体どのように実現したのか、堂々たるヨーロッパツアーを完遂した。Aldiousは、R!Nの急病と入院という一大事があったが、まさに天才というべき大山まきをボーカリストとして迎えて、日本ツアーを最後までやりきることができた。LOVEBITESは何度かライブを開催した。BAND-MAIDは、世界最高のロックバンドとしての名声を固めた。そして、多くのバンドから素晴らしい音楽がリリースされた。
以下、RaijinRockが選ぶ2021年リリースの傑作を、アルバム、シングル/EP、そしてミュージックビデオの3つのカテゴリーに分けて紹介する。それぞれのカテゴリーの第10位は、読者の方々にコメント欄で提案していただけるよう、わざと空けている。
今年のベストアルバム
- 『Unseen World』は、今世紀残りの79年に何がリリースされようとも、21世紀最高のアルバムとなるかもしれない。
- BRIDEAR、『Bloody Bride』 –アイコニックなボーカリストのKIMIとベーシスト/スクリーマーのHARUが率いるこのまさに独創性溢れるパワーメタルバンドはさらに良くなったと言えるかもしれない。『Bloody Bride』は、毎回聴くごとに新たな発見がある。
- TRiDENT、『Advance Generation』 – 『Advance Generation』は、以前までガールズロックバンド革命(Girls Rock Band Kakumei)として活動していたアーティスト集団が世に送り出した、ポップパンクの傑作だ。
- Gacharic Spin、『Gacharic Spin』 – ボーカリスト/リードボーカルを務めるティーンエイジのアンジェリーナ1/3が、それまでも一貫して素晴らしいバンドであったこのバンドに、新たな活力を吹き込んだ。しかし、『Gacharic Spin』に関して最も驚異的なのは、キーボーディスト/ボーカリストのオレオレオナが、やや非典型的な役割から解放されて、自身だけでたまらない説得力があるアーティストとして躍り出たことだ。レオナのボーカルとピアノが、アルバムのアンカーを務めているのだ。それにしても、Gacharic Spinはあらゆるロックバンドの中で、最も民主的だ。はな、TOMO-ZO、FチョッパーKOGA、そしてアンジーの全員に、それぞれ主役になる瞬間が与えられている。
- Mary’s Blood、『Mary’s Blood』 – 『Mary’s Blood』は、このバンドがここ数年でリリースした中で、最も一貫して素晴らしいアルバムだ。ギタリストのSAKIとボーカリストのEYEからは、この2人の音楽の出会いはまるで天の示し合わせであったかのようであることが伝わってくる。最高にイケている。追記:衝撃のニュースだ。Mary’s Bloodが活動をやめる決断を下したようだ。「無期限の休止」が発表されている。
- tricot、『Jodeki』 – tricotは、魅惑的で、謎めいて、目が眩むような音響という、このバンド特有のニッチを自ら開拓してきた。tricotは、音楽のボキャブラリーに存在する、あらゆる拍子、そしてあらゆる9の和音、11の和音、そして13の和音を毎回探っていくので、時に大混乱の様相を呈することがある。『Jodeki』は、全体にジャジーな雰囲気が漂っているが、tricotの楽曲の中で最もブルーズ的かつ最も官能的な「夜の魔物」も収録している。
- IBUKI、『Storm of Emotion』 – 伝説的なソングライター/ボーカリストのIBUKIが戻ってきた。すぐにそれと気づく、しかし同時に独特の楽曲をまとめたアルバムを、またもやリリースしたのだ。
- RAMI THE REQUIEM、『暁闇慟哭(Dawn and Darkness)』 – 最後のフルアルバムから3年経った今年、当時のアイコニックさそのままのRAMIが名作中の名作群をひっそりとリリースした。Aldious以降のRAMIのリリースの中では、『暁闇慟哭』がおそらく最も隅々まで満足度が高いアルバムだ。彼女と一緒に音楽を作るソングライター、ミュージシャン、そしてプロデューサーなどが、RAMIの歌詞を大変巧みに支えている。アルバムの最後を飾る奇妙なほどオペラ的な「When Love Kills Us」は、RAMIがエキセントリックな天才であることを雄弁に物語っている。
- HUMPBACK、『Achatter』 – コード進行の一部、そしてリズムギターのチャカチャカという弾き方の一部を注意深く聞いてみてほしい。キレッキレのフック、それに揺らめく旋律、エネルギッシュなギターソロ、巧みなアレンジ、そして特異なボーカルは、林萌々子ならではのものだ。
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今年のベストシングル/EP
- BAND-MAID、楽曲「Sense」、「Hibana」、そして「Corallium」を言い表せる形容詞はたくさんある。熱狂的、猛烈、催眠的、狂気的、躁的などだ。『Sense』は完全にタガが外れている。また『Sense』は、BAND-MAIDこそ世界最高のロックバンドであることを証明してくれている。BAND-MAIDが、『Unseen World』の直後に、スラッシュメタルとほぼ等しいような、これほどアグレッシブかつ妥協なき楽曲群をリリースしたことは、このバンドがどれほど自信を持っているかを示している。
- nano、『ANTHESIS』 – nanoの歌声は、独特ですぐにそれとわかる。魅惑的で、アクロバティックで、絶妙なのだ。『ANTHESIS』では、どこまでもクールなロックの中に、多くの回答困難な問いが立てられ、年季の入った叡智が込められている。そして、「夜は来る、そして涙は流れる(the night will come, and tears will fall)」ということを、決して、決して、忘れてはならない。
- yonige、『三千世界』 – ソングライター/ボーカリスト/ギタリストの牛丸ありさは、長きにわたって、世界最高の美しさのパワーポップを生み出してきた。yonigeの初期の作品のほとんどは、テンポが速く熱狂的なものだった。その後次第に、ありさはより絶妙に、より控え目になってきた。『三千世界』も、この傾向の延長線上にある。とは言え、『三千世界』は旋律的で、ファンキーで、イカしたものだ。
- BRIDEAR、『Brave New World Revisited』 – BRIDEARが、大活躍した2021年の締め括りとして、度が過ぎるほどのものをリリースしてくれた。今年このバンドは、素晴らしい新アルバムを出して、興奮のヨーロッパツアーも完遂した。それならということで、BRIDEARについて当たり前だと思われていた全てのことを崩してくれるような、8分の叙事詩的楽曲も出してくれるよね?もちろん、出してくれた!
- UNDEAD CORPORATION、『Oblivion』/『Blaze』/『Face the Fate』/『Devil Trigger』/『Everything Will Freeze』 – エキサイティングなヘビーメタルバンドUNDEAD CORPORATIONからは、クラウドファンディングで制作されたグルーブ感溢れるバケモノ級のシングルを通して、新たな楽曲がぽつぽつとリリースされてきた。ボーカリストの朱美は、情熱があるようで、同時に冷静でもある。彼女はどうやってこれをやってのけているのだろうか。その答えの如何に拘らず、朱美と彼女のバンド仲間には相変わらず説得力がある。
- 出だしからハードロッキングなのだ。
- SCANDAL、『eternal』/『アイボリー』/『one more time』 – 精巧なパワーポップマシーンへと進化を遂げたSCANDALは、2021年には1作でも2作でもなく、3作のチャーミングなシングルをリリースした。「one more time」の「パーティーバージョン」は、涅槃を音にしたものかもしれない。聴いていると、喜び、安らぎ、そして平穏を感じずにはいられない。もちろん、幾許かの絶頂感も。
- 彼女がAldiousのボーカリストとして過ごした時間は短過ぎた。R!Nにとっては、健康面で極めて困難な年になってしまった。それでも、彼女のファンは、彼女が回復していく中で、彼女への愛を示してくれた。R!Nが今後も、心を捉える情熱的な音楽を引き続きリリースしてくれることを願っている。
- cluppo、『PEACE&LOVE』/『Flapping wings』 –
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今年のベストDVD/Blu-ray
- 赤い公園、『THE LAST LIVE 「THE PARK」』 – 赤い公園の原動力となっていた津野米咲が若くして亡くなったという悲劇は、決して受け入れられるものではない。それでも、残されたバンドのメンバーは、tricotのギタリストMotofourを迎えて、最終公演という形で涙を誘う追悼を行った。パッケージには、米咲の姿も映るスタジオでのパフォーマンスの動画も収録されている。心が張り裂ける作品だが、同時に輝かしい作品にもなっている。
- BAND-MAID、『ONLINE OKYU-JI(2/11/2021)』 – BAND-MAIDの武道館での2月公演は、パンデミックが原因で中止となった。それでも、このバンドはオーディエンスを入れないライブストリームの形で、予定されていた曲目を披露し、その録画がこの作品の中でリリースされた。もちろん見事、もちろん完璧。Blue-rayバージョンは、カメラがそれぞれのメンバーにスポットライトを当てて追ってくれているため、バンドメンバーの個々人の天賦の才を垣間見せてくれるものとなっている。唯一の問題とは、BAND-MAIDがその次に2021年5月10日に行ったライブストリーム『Day of Maid』の方がさらに良くなっていたということだ。この点さえなければ、BAND-MAIDは3つのカテゴリー全てで第1位に輝いていたかもしれない。
- SCANDAL、『WORLD TOUR 2020 “Kiss from the darkness” Livestream』。
- SCANDAL、『15th Anniversary Live「Invitation」』 –SCANDALは、完璧からは程遠い。「今夜はピザパーティー」のように、ガラクタ程度の楽曲も多い。それでも、SCANDALは、『“Kiss from the darkness” Livestream』にあるように、「ランドリーランドリー」のような滑稽な楽曲を再想像して、切ないアコースティックの傑作に変えてしまうこともできる。ギタリスト/作曲家のMAMIのステージ上の存在感からは、野生を感じさせるほど説得力が伝わってくる。しかし、これらの2つの演奏はどちらも素晴らしいが、リリースされていない『Seasons』のライブストリームの方が、ビジュアルも驚くべきレベルで、さらに上を行っていた。こちらもリリースすることを望めば、それは望み過ぎということになる。メモ:こうしたミュージックビデオをリリースする際には、SCANDALがこれら2回のライブセットでそうしているように、CDを出すのが適切な方法だ。
- Gacharic Spin、『Gacharic Spin 11th Anniversary Live』 – このDVDはスタンドアローンリリースではなく、新作アルバム『Gacharic Spin』の1つのバージョンに付属するボーナスディスクであるので、ここにランクインさせるのは贔屓が過ぎるかもしれない。2020年10月のライブストリームを記録したものだ。それにしても、Gacharic Spinは本当に素晴らしいのだ。これまでのパフォーマンスとは異なり、あからさまに娯楽重視であるビジュアル要素を排して、Gachapinが音楽だけに集中している姿を見られたのは新鮮だった。このGacharic Spinは、妥協なきハードロッキングなバンドだ。はな、FチョッパーKOGA、TOMO-ZO、オレオレオナ、そしてアンジェリーナ1/3は皆本当に素晴らしいので、誰か1人のメンバーを取り上げてそのメンバーの貢献だけを紹介しようという気持ちにはならない。
- Mardelas、『Official Bootleg Vol.1 – Faith in Tomorrow』 – パンデミックの間、屈指のライブストリームをしてくれたバンドに、パワーメタルバンドのMardelasがある。ファム・ファタール的なボーカリスト蛇石マリナは、ステージを支配して、そしてもちろん叫び声を張り上げることだってできると証明してくれている。ギタリストのKikyoは、複雑なパート全てを、セカンドギタリストにカバーしてもらうことなくこなせることを証明している。楽曲はどれも、聴き惚れてしまう定番曲だ。
- Aldious with Maki Oyama、『Aldious Tour 2020-2021 “Unlash”』 – 大山まきは、Aldiousのこれまでの3人のどのボーカリストとも全く異なる歌い手だ。RAMI、Re:NO、そしてR!Nには、それぞれにそれぞれの魅力があった。しかし、まきが歌うパワフルなヘビーメタルによって、このバンドの定番曲はこれまでになかった形で勢いを得ている。そして、バンドメンバーは全員、心の底から楽しんでいるように見える。Re:NOの最後の作品となった2018年の『ALL BROSE』以降、Aldiousからは新作がほとんどリリースされない状態が続いている。このバンドは、2022年には首を長くしているファンに新たな音楽を届けられるだろうか。異端的な提案になるかもしれないが、AldiousはRe:NOに新曲をいくつか書くよう依頼すべき時に来ているのだろうか。
- BABYMETAL、『10 BABYMETAL BUDOKAN』 – BABYMETALは、いろいろ難癖をつければ、その魅力に嵌らないよう抗えるだろう。しかし、このバンドのパフォーマンスのいずれかをDVD/Blu-Rayで観てしまったり、より理想的にはモッシュピット状態のオーディエンスの一員として観てしまえば、このバンドの圧倒的なインパクトに抗うことはできなくなる。BABYMETALはパフォーマンスアートに入るかもしれないが、それでもBABYMETALは素晴らしい芸術を作り出している。
- LOVEBITES、『Heavy Metal Never Dies』 – マーケティングの巨獣として知られているLOVEBITESから、またライブDVD/Blu-Ray/CDコンビネーションパッケージがリリースされた。ふー。私のカウントでは、CDオンリーの『Invitation To the Theater』を加えると、過去4年間で7作目だ。それでも2021年、LOVEBITESには亀裂が入り始めた。理由は、このご時世、おわかりだろう。LOVEBITESは、普段通り完璧だ。バンドメンバーのasami、haru、miho、立松みどり、そしてmiyakoは、頑張っても悪い演奏はできないのだ。しかし、このリリースは、いくつか深みまで切り込む楽曲を収録しているとは言え、新境地を拓いたとまで言えるものではない。LOVEBITESは、結成メンバーのmihoの脱退を受けても、おそらくは存続していく前提なのだろう。しかし、mihoの脱退で、LOVEBITESは永遠に変わってしまうだろう。
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他にどの素晴らしいリリースがランクインしても良かったか、是非コメント欄で是非議論してほしい。コメント欄では、残念ながらメールアドレスの入力が必須だが、RaijinRockはメールアドレスを使用したりいずれかの第三者に提供したりすることは一切ない。
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