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2022年のロック音楽界

2022年のロック音楽界 - Raijin Rock
2022年のロック音楽界

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1969年、ロック音楽界の中心はロンドンだった。当時、ロック音楽愛好家が崇めていたトップ5の偉大なアーティストといえば、恐らくはビートルズ 、ローリング・ストーンズ、ザ・フー、レッド・ツェッペリン、そしてヒビングの吟遊詩人ボブ・ディラン(アメリカ人だが、それが何か?)の名前が挙がっていただろう。あの時代に生きられた人は幸運だったに違いない。

しかし、素晴らしいロック音楽は、50年以上前の音楽まで遡らなくても聴くことができる。

「1」

2022年、東京が世界最高のロック音楽の聖地となっている。さらに、日本最高のロック音楽を手がけているのは、ガールズバンドや女性がボーカリストを務めるバンドだ。こうした女性アーティストたちよりエキサイティングなミュージシャンは、世界のどこを見てもいない。RaijinRockが選ぶトップ5は以下の通りだ。

  1. BAND-MAID – ギタリストの歌波は、天才的なハードロックのソングライターだ。彩姫は、世界で最もクールかつ魅惑的なボーカリストだ。茜は、キース・ムーン以来、最もワイルドにぶっ飛んだドラマーだ。リズムギタリスト/作詞家/ボーカリストの小鳩ミクは、たまらなく魅力的、その一言に尽きる。ベーシストについては、「ミサ!ミサ!!ミサ!!!」と叫ぶだけで十分だろう。
  2. BRIDEAR – 頑固で激烈、そうして輝かしいボーカリストのKIMIは、Jロック音楽の顔と呼べるごく僅かなアーティストの1人だ。ベーシストのHARU、ギタリストのMISAKIとAYUMI、それにドラマーのNATSUKIは全員、ソングライターとしても才能豊かで、世界で最もクリエイティブかつ挑戦的なパワーロックバンドの1つであるこのバンドの再発明に貢献してきた。
  3. GLIM SPANKY – 松尾レミは、 ジャニス・ジョプリンやキャロル・キングのような天性のボーカルの才能を持つ説得力あるボーカリストで、レミーはこれら2人をカバーしている。レミはまた、本当に偉大なソングライターでもある。レミは、素晴らしいパンクソング、素晴らしいディスコソング、素晴らしいブルーズロックソング、素晴らしいサイケデリックソングを書くのだ。レミには、ジャンルの垣根を越える力があるということだ。さらに、ギタリストの亀本寛貴はいつも、素晴らしい曲をどれもさらに素晴らしく盛り上げてくれる。
  4. Mary’s Blood – どこまでもクリエティブなギタリストのSAKIは、世界でも僅かしかいない真に驚嘆すべきミュージシャンの1人だ。ボーカリストのEYEは、稀なパワーを持つ、火を噴くドラゴンのようだ。ドラマーのMARIとベーシストのRIOは、全ての曲に驚きに満ちたアクセントを添えてくれる。ライブサポートギタリストのYASHIROは、もっとその貢献が評価されるべきだ。Mary’s Bloodは疑いなく、日本で最もアイコニックなロックバンドの1つだ。
  5. SCANDAL – SCANDALのパワーポップの素晴らしさを否定するのは不可能だ。『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』の4つ目のエンディングテーマである「瞬間センチメンタル」よりも素晴らしいアニメのテーマ曲はあるだろうか。ギタリストのSASAZAKI MAMI、ボーカリストのONO HARUNA、ドラマーのSUZULO RINA、そしてベーシストのTOMOMI OGAWAはそれぞれ担当のパートを巧みにこなす円熟したミュージシャンに成長している。個人としてもバンドとしても、抗えない魅力のあるソングライターでありミュージシャンなのだ。

「2」

音楽は主観的なものだ。だから、その他にもこのバンドをランクインさせてはどうか、という主張も常に成り立つものだ。1969年の批評家の中には、クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤングもランクインさせるべきと主張した人もいたかもしれない。そういう可能性もあるだろう。クリーデンス・クリアウォーター・リバイバルはどう?大賛成だ。

2022年、LOVEBITESとAldiousは絶対的に選考対象に入るだろう。この2つのまさに目を見張るバンドは、様々な理由から、RaijinRockが選ぶトップ5入りを果たすには至らなかった。

それでも、現在日本人の女性が最高のロック音楽を生み出しているというRaijinRockの考えには変わりない。

問題は、どれから聴いていくかだ。

「3」

ガールズバンドまたは女性がボーカルを務めるバンドの本当に目を見張る作品トップ50を、個人的に選んでみた。ロック音楽の愛好家は、是非このリストを参考にして、驚くほど豊かで複雑な日本人女性ロックミュージシャンの世界を探ってみてほしい。このリストには、定番のクラシックロック、病みつきになるパワーポップ、妥協のないハードロック、徹底的なヘビーメタル、輝かしいアニメテーマ曲、アイドルメタル、折衷的かつ実験的なジャムなどを挙げている。以下のバンドの多くは、本当に素晴らしいライブのアルバムやDVDもリリースしているので、忘れずにこれらもチェックしてみよう。このリストに追加すべき作品があれば、是非教えてほしい。リストはアルファベット順だ。

  1. 赤い公園 – 『The Park』(2020)。アルバム『The Park』は、折衷的かつ実験的なソングライター/ギタリスト/キーボーディストであり、2020年に若すぎる死を遂げた津野米咲の代表作だ。ブルーレイリリース『The Last Park』は、残されたバンドメンバーによる追悼作であり、この驚嘆すべき女性に捧げるにふさわしいものとなっている。パッケージには、米咲ちゃんのライブパフォーマンスやミュージックビデオなどが収録されている。
  2. Aldious – 『Unlimited Diffusion』(2017)。Aldiousのアルバムから持っておくべき1枚を選ぶのは簡単ではない。『Unlimited Diffusion』こそ、素晴らしかったRe:NO時代の混沌とした絶頂期の作品のように思われるかもしれない。でも、『Evoke II』も見逃してはならない。こちらはコンピレーションアルバムで、何らかのマーケティング上の理由から、Re:NOとRamiの最もヒットした作品の一部のボーカルを、驚嘆すべきワイルドな才能を持つ、最上級で褒め尽くしても褒めきれない、ボーカリストのR!Nが再レコーディングしたものだ。
  3. ANARCHY STONE – 『Our World』(2012)。有能なミュージシャンであれば、1977年の新鮮さそのままでパンクロックを生み出せる。ANARCHY STONEは本物だ。
  4. ASTERISM – 『IGNITION』。ギタリストのHAL-CAは、このアルバムを録音した際、まだ16歳だった。彼女のバンド仲間も10代だった。本当に信じられない話だ。
  5. BABYMETAL – 『Babymetal』(2014)。中元すず香、水野由結、そして菊地最愛による、催眠的、魅惑的、そして誘惑的なライブパフォーマンスは、ロック音楽界でも無二のものだ。聴けば信奉者になってしまう。デビューアルバムが、今なお代表格のままだ。
  6. BAND-MAID – 『Unseen World』(2021)。BAND-MAIDを代表するこの猛烈にハードロッキングな大作は、これまでリリースされたアルバムの中でも最も妥協なき作品の1つだ。BAND-MAIDの5人の女性は、個別に見ても、まとめて見ても、世界のどのハードロックバンドにも負けていない。
  7. BRIDEAR – 『Bloody Bride』(2021)。パワーメタルの巨匠が集結したBRIDEARには、アルバムを出すたびに新たな自分たちの像を提示するという驚くべき能力がある。ボーカリストのKIMIには抗えない魅力がある。
  8. CYNTIA – 『URBAN NIGHT』(2016)。CYNTIAの最後のアルバムは、短期間ではあったがJポップの領域に足を踏み入れるという判断ミスを経て、かつてのすばらしさを取り戻した作品となっている。また、アルバム『Endless Night』収録の楽曲「幻覚の太陽」も必ず聴いてみてほしい。
  9. D_DRIVE – 『Maximum Impact』(2019)。素晴らしいの一言に尽きる、インストゥルメンタルハードロックの作品だ。ギタリストのYukiが作曲した「Unkind Rain」はまさに定番となる作品だ。
  10. DESTROSE –『DESTROSE』。先駆的なガールズバンドのDESTROSEは、これまで常に素晴らしいミュージシャンを迎えては、素晴らしいミュージシャンが卒業していったバンドだ。卒業していったミュージシャンの多くはその後、LOVEBITES、Mary’s Blood、OCTAVIAGRACE、およびMardelasなどのバンドでさらに大きな成功を掴んでいった。DESTROSE唯一のアルバムでは、伝説的なCaptain MinaとアイコニックなSuzuki Narumiをギタリストに、LOVEBITESの結成メンバーのmihoとharunaをリズムセクションに、そしてMardelasの蛇石マリナをボーカリストに迎えている。まさに驚異的なオールスターが並んでいるのだ。このアルバムは入手が難しいかもしれない。『DESTROSE』を購入するにはまた自宅を抵当に入れなければならないかもしれないが、それでもお金を払う価値のある作品だ。
  11. DISACODE – 『サクラ×クロク×クラク』。メロディックハードロックバンドのDISACODEは、公式には解散発表をしていない。DISACODEがまたレコーディングをしてくれることを望むばかりだ。それでも、過去のどの作品も持つに値するものだ。ソングライター/ボーカリストでRe:NOの親友AKIRAはどうすればロッキングできるかを知っている。
  12. Disqualia – 『Over The Destruction』(2015)。シンガー/ソングライターのIBUKIが率い、天才的ギタリストの成美と葉月を擁するこのバンドが、大成功を収めなかったというのは信じがたい。Disqualiaがリリースした数少ないEP盤は、どれもメロディックハードロックの好例となる作品だ。
  13. DOLL$BOXX – 『Dolls Apartment』(2012)。DOLL$BOXXは、Gacharic Spinの4人のコアメンバーに、アイコニックなボーカリストFukiを加えたメンバーで構成されている。つまり、DOLL$BOXXは今世紀を代表するスーパーグループなのだ。DOLL$BOXXは、この他にはEP盤の『High$pec』しかリリースしていないが、こちらも等しく素晴らしい。今後、DVD『High$pec High Return』に収められているライブ以上にエキサイティングなライブは観られないだろう。
  14. exist†trace – 『Royal Straight Magic』(2016)。ビジュアル系ガールズバンドのexist†traceは、一言で言いまとめるのが難しくて悩んでしまうほどだ。このEP盤では、exist†traceはキャッチーなハードロックの作り方を完璧に捉えている。
  15. FATE GEAR – 『Headless Goddess』(2019)。FATE GEARをバンドの顔としてリードするCaptain Minaは、かつてDESTROSEのリーダーを務めていた。『Headless Goddess』には、DESTROSEの楽曲のリメイク版が数多く収録されており、説得力がありつつ時として葛藤をも感じさせるこのミュージシャンとそのめまぐるしく変わる共演者について知るにあたってまず聴くべき作品となっている。
  16. Gacharic Spin – 『Gacharic Spin』(2021)。Gacharic Spinは、日本のバンドの中で最もワイルドに折衷的なバンドだ。Gachapinは、毎回のリリースで素晴らしいものを出してくる。バンド名を冠した最新アルバムは、長きにわたってキーボーディスト/ボーカリストを務めてきたOREO-Reonaと新たなボーカリストのアンジェリーナ1/3が共演していることが大きな要素となり、息を呑むようなリセットという感じになっている。
  17. Girlfriend – 『Chocolate』(2018)。素晴らしいパワーポップの一言に尽きる。Girlfriendは公式に解散しているが、このバンドの作品を聴けば、パワーポップがなぜこれほどまでに説得力のあるジャンルなのかを、今後いつでも楽しく思い出すことができる。
  18. GLIM SPANKY – 『Sunrise Journey』(2015)。様々なジャンルで活動するボーカリスト兼リズムギタリストの松尾レミは、21世紀最大のソングライターの1人だ。ギタリストの亀本寛貴は、どの楽曲もさらにいいものに盛り上げてくれる。まずは『Sunrise Journey』から聴き始めるのがいいだろう。
  19. 花冷え。 – 『乙女改革』。ギター、そしてハードコアな叫び声を、たっぷり聴くことができる。花冷え。の楽曲はごちゃごちゃしている。何度も聴いているが、私は要素に分けて聴くことができていない。だからこのバンドが大好きなのかもしれない。
  20. Hagane – 『SuperVillain』。このバンドもまた、ハードロッキングなバンドだ。メロディックでありつつ、メタルコアの要素も少しある。どのカテゴリーに入るかは重要ではない。Haganeの作品はどれも素晴らしい。
  21. ハルカトミユキ – 『Loveless/Artless』。ソングライター/ミュージシャンのドゥオが贈る、まさに素晴らしいロック音楽だ。このバンドの作品は、どれも持っておくに値する。
  22. Heavenstamp – 『From The Basement』(2021)。息を呑む折衷的なバンドだ。Heavenstampは、夢想的で、雰囲気があり、メロディックな音楽を作っている。このリミックスアルバムは、オリジナル作品の瞑想的な魅力を一切失っていない。
  23. Hump Back – 『hanamuke』(2017)。林萌々子は、21世紀のパワーポップの真に偉大な演奏家の1人だ。Hump Backのどの作品にも、パワーポップが輝く瞬間が多くある。萌々子ちゃんは楽曲中の素晴らしいフックやクレバーなギターソロでその才能を発揮している。彼女のエネルギーには抗えない魅力がある。
  24. IBUKI – 『Storm of Emotion』(2021)。パワフルなシンガー/ソングライターのIBUKIは、このリストにこの他3回登場している。(1)DESTROSEに時折加わるボーカリストとして、(2)Rie a.k.a. Suzakuの数多くの楽曲の歌い手として、そして(3)Disqualiaのリーダーとしてだ。だからこそ、IBUKIはまさに伝説的なのだ。『Storm of Emotion』は最初から最後まで素晴らしい。
  25. きのこ帝国 – 『ロンググッドバイ』(2013)。折衷的、メロディック、そして誘惑的だ。きのこ帝国は、輝かしいロック音楽の夢のような雰囲気を醸し出してくれる。
  26. LADYBABY/The Idol Formerly Known As Ladybaby – 『Reburn』。バンド名をどうするかは、どうでもいい。LADYBABYは、ジェントのパイオニアであるペリフェリーのように、どの楽曲でもクリーンなボーカルと荒々しいボーカルの間の難しい移行をうまくやってのける。
  27. LOVEBITES – 『Awakening From Abyss』(2017)。LOVEBITESの初のフルアルバムは、伝統的なヘビーメタル界にとって転機となる作品となった。asami、miyako、Tatematsu Midori、HARU、そしてバンドの創設者であり顔であるmihoは、これまでステージに立ったミュージシャンの中で最も才能豊かな5人だ。
  28. MAMY – 『I saw many myself』(2017)。MAMYもまた、輝かしいパワーポップバンドだ。このバンドには、フェンダーのストラトキャスターを使うギタリストと、ギブソンのレスポールを使うギタリストがいる。この事実だけでも、このバンドが物事をわかってやっていることは明らかだ。
  29. MANACLE – 『Liberation』。Manacleは、アイドルメタルバンドのNECRONOMIDOLから派生したグループだ。『Liberation』は、説得力のあるネオゴシック系のメタルフックや奇妙ではあるが同時に説得力のあるボーカルで溢れている。
  30. Mardelas – 『Mardelas III』(2018)。魔性の女的な蛇石マリナは、ハードロックという枠組みの中で、抗えない魅力のあるフィルムノワール的世界を作り出す。支える及川樹京は素晴らしいソングライターで、ギタリストとしても才能豊かだ。
  31. Mary’s Blood – 『Bloody Palace』(2016)。Mary’s Bloodは、間違いなく真にアイコニックなバンドだ。2作目となるフルアルバムは、21世紀最高のアルバムの1つに数えられる。冷酷で説得力があるのだ。
  32. MASS OF THE FERMENTING DREGS – 『Our World』(2018)。パンクロックとパワーポップが融合している。どの楽曲でもクレバーなフックが聴ける。
  33. nano – 『nanoir』(2018)。nanoは、群を抜いて惚れ惚れするほどゴージャスな歌声の持ち主の1人だ。また、世界のソングライターの中でも最も洞察深く最も挑戦的な歌詞を書いている。nanoはニューヨーク出身で、これまで長く曲がりくねった道を進んできた。10代で日本に引っ越してからは、アニメ界とロック界のスターというまさに彼女にふさわしい地位まで何とかのぼり詰めた。
  34. NEMOPHILA – 『REVIVE』。NEMOPHILAのショーでスターを務めるのは、カリスマ的な(そして息を呑む)ボーカリスト/スクリーマーのmayuだ。mayuは、歌声面でもビジュアル面でも独特だ。mayuを支えるメンバーには、Mary’s BloodのギタリストのSAKI、Disqualiaの葉月、ベーシストのハラグチサン、そしてドラマーのむらたたむがいる。これはまさにスーパーグループという面々だ。その点に関しては、異論は認めない。反論しようとするなんて、時間の無駄だ。
  35. Octaviagrace – 『Radiant』(2019)。発明の才に恵まれた折衷的ハードロック/ジャズバンドの Octaviagrace は、素晴らしい楽曲、魅力的な歌い方、そしてまさに驚くべき器楽編成を楽しませてくれる。ギタリストのhanakoは、ものすごい量の音符を弾きこなす。どの音符も、絶対になくてはならない音符だ。
  36. 沖縄電子少女彩 – 『黒の天使』。彩は、史上最もワイルドな折衷を特徴とするミュージシャンの1人だ。メロディーの美しさで聴き手を誘惑できるのだ。また時には、進んで聴き手を挑発することもある。彩の音楽は、ラテン風の楽曲から冷酷なブラックノイズまで幅が広い。彼女の極めて魅惑的な楽曲「秘密の森」を超える楽曲を聴く機会は今後もそうはないだろう。
  37. 乙女沙羅 – 『恋は盲目、愛は錯覚』。このシンガー/ソングライター唯一のリリースであるこのアルバムには、キャッチーなロックの楽曲が多数収録されている。彼女が誰なのか、私には皆目見当がつかない。でも、乙女沙羅についてはさらに情報が欲しい。
  38. PassCode – 『Clarity』(2019)。PassCodeは、屈指の素晴らしいアイドルメタルバンドだ。PassCodeのライブショーは息を呑むものだ。このバンドの女性たちは、いつも魅惑的だ。楽曲には、素晴らしいリフ、抗いがたい魅力があるメロディー、そして第1級の叫び声が溢れている。
  39. Rie a.k.a. Suzaku – 『Top Runner』(2019)。驚くほど多作な超絶技巧ヘビーメタルジャズギタリストのRieは、史上最も偉大なメロディーの書き手の1人だ。彼女のインストゥルメンタル作品の「ソロ」セクションは、まさに焼き尽くすかのように徹底的だ。Rieの過去のリリース作品は全て買ってほしい。絶対に後悔しないから。
  40. RAMI THE REQUIEM – 『暁闇慟哭』(2021)。Aldiousの結成時のボーカリストが、2021年にこの冷酷なアルバムで堂々と帰ってきた。バンドRaglaiaのボーカリストとして彼女がリリースしたアルバムも、心を掴む出来となっている。
  41. RiViNi – 『Resistance』(2018)。Rie a.k.a. Suzakuのこのガールズバンドは、長続きはしながったが、不思議なことにも1980年代のロックグループのエイジアを想起させる。しかし、『Resistance』はここ10年でリリースされた中で最高のアルバムの1つだ。演奏も素晴らしいし、ボーカリストのNicky RosaはRieのメロディックなロックの楽曲の歌い手としてまさに適任だ。
  42. SAISEIGA – 『The Sun』(2022)。絶対倶楽部の元メンバーのReganと桐子がリリースしたこのアルバムは、2022年で最もパンチの効いたLP盤の1つだ。SAISEIGAには、結成から間もない日本のバンドの中でトップクラスに躍り出るポテンシャルがある。
  43. SCANDAL – 『Kiss From The Darkness』(2020)。これもまた、Jロックの女神たちが手がけた、まさに素晴らしいアルバムだ。SCANDALは、世界の一部の地域の保守層のファンからの異議を気にせず、堂々とLGBTQフレンドリーなミュージックビデオをリリースするだけの自信と信念を持った、数少ない日本のバンドの1つだ。応援したい。
  44. SILENT SIREN – 『GIRLS POWER』(2017)。SILENT SIRENのことを、単に聴いていて楽しいパワーポップのバンドに過ぎないと切り捨てるべきではない。SILENT SIRENの楽曲の多くは、エッジが効いている。ボーカリストの吉田菫は、BAND-MAIDの厚見彩姫とも一緒に遊びに行く仲だ。そう聞くだけで、私は十分興味がそそられる。
  45. tricot – 『上出来』(2021)。tricotはカテゴリー分け不能だ。ズレたリズム、おかしな和音、そして催眠的なメロディーに、世界中の音楽専攻の人々が惹かれている。ギタリストのモティフォは本物の天才だ。
  46. TRiDENT – 『Advance Generation』(2021)。『Advance Generation』は、ポップパンクの傑作だ。どの楽曲も驚異的である。ライブDVDは、TRiDENTのパワーの証左だ。
  47. UNDEAD CORPORATION – 『No Antidote』(2017)。ヘビーメタルパーティーロックと言えるだろうか。UNDEAD CORPORATIONは、そのジャンルをどう呼ぼうとも、抗えない魅力を持っている。バイリンガルのボーカリストの朱美は本当に驚くべきボーカリストだ。
  48. Unlucky Morpheus – 『Vampir』(2015)。魅惑的なボーカリストのFUKIと催眠的なバイオリニストのJillが同じバンドに所属しているなら、目を見張るバンドにならないはずがない。バンドの4人の男性は全員天才的なインストゥルメンタリストで、とりわけギタリストの仁耶は特筆に値する。
  49. The Winking Owl – 『BLOOMING』(2016)。輝かしく、煌めきがあり、絶頂感がある。The Winking Owlはハードロッキングなバンドであり、使い切れないほどの素晴らしいフックやメロディーを持っている。「Empty In The Crowd」は、緊張感と絶頂感の間をナイフの刃の上を進んでいくかのようにバランスを取っていく、史上最高の楽曲の1つだ。
  50. yonige – 『girls like girls』(2015)。シンガー/ソングライター/ギタリストの牛丸ありさは、パワーポップの天才だ。奇妙なことに、yonigeのここ最近のリリース作品は、物思いにふけるかのように控えめな曲想だ。『girls like girls』では、元気一杯でスリル満点のyonigeを聴ける。

「4」

その他注目に値する日本人女性としては、大山まき(Aldiousの最も最近のツアーでステージに立ったまさに輝かしいボーカリスト)、絶対倶楽部、水曜日のカンパネラ、BLACKNAZARENE、ザ・ヒーナキャット、Little Lilith、NECRONOMIDOL、ArkRoyal、R!N、Zwei、そしていとうかなこが挙げられる。さらに、このようなリストを作るなら、先駆的なロックのガールズバンドSHOW-YAに言及しないわけにはいかない。このバンドが、リストにある多くのバンドの着想の源泉になっていたのだから。ギタリストの五十嵐”sun-go”美貴は、地球上で最も賞賛に値する人物の1人だ。sun-goをTwitterでフォローしていないなら、それは大問題。今すぐフォローすべきだ。

「5」

疑いなく、このリストには載せるべきミュージシャンが他にももっといる。抜けているミュージシャンをコメント欄で是非教えて欲しい。

他にどの素晴らしいリリースがランクインしても良かったか、是非コメント欄で是非議論してほしい。コメント欄では、残念ながらメールアドレスの入力が必須だが、RaijinRockはメールアドレスを使用したりいずれかの第三者に提供したりすることは一切ない。

図 @magdacat12

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