Previous post
Now reading
Mardelas: 蛇石マリナを神格化した「Cleopatra」
Next post
2018年のEP盤『Ground Zero』収録の楽曲「クレオパトラ」で、蛇石マリナとMardelasは神格化された。まさに文字通り、辞書の定義通り、神の地位を得たのである。Mardelasは長年、強い女性をテーマとしてきた。「Cleopatra」では、強い女性の典型例である歴史上の女王というテーマに挑戦したのだ。「Cleopatra」は、シンセサイザーが重く響くミッドテンポの主題で始まり、そこにすぐにギターの主題が重なり、そこから一瞬だけ中東の路地裏の雰囲気を漂わせ(Mardelasがたった1つの主題のイントロに満足するはずなどない)、そしてやっと思わず耳を傾けてしまう第1ギターリフに突入する。
マリナは、月明かりに照らされた砂漠の宮殿や黄金でできたバラ、それに剣闘士や財宝が埋められた墓について歌い始める。Mardelasではおなじみだが、美しい旋律のBメロから目を見張るサビに突入し、その中ではマリナが堂々たる威厳を振りまく。というのも実は、英語で歌われる歌詞は、「Just one gaze you’ll be my slave」(一瞬見ただけでお前は私の奴隷になる)と「to me you’ll bend the knee」(お前は私に跪く)だけなのだ。Aメロの2番では、ドラマーの弓田”HOT”秀明が拍節から完全に外れ、実際どのようなリズムで演奏しているのか把握するのが困難になる。「イチ-ニッ-サン-シー、ニー-ニッ-サン-シー、サン-ニッ-サン-シー、ヨン-ニッ-サン-シー」と数えていると、「あのビートは実際のところ、3拍目の『シー』と、4拍目の『ヨン』の間なのか?」など、とんでもない疑問が湧いてくるのだ。実際どのようなリズムであるのかはさておき、とびっきりかっこいい。及川樹京のギターソロは彼らしいワイルドなものだ。「Cleopatra」を聴き終わった時には、疲れ切っている中にもとても大きな満足感が得られるに違いない。それにそう、もちろんあなたも跪くことになるだろう。
コメントを残す