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2021年4月1日、BAND-MAIDの中心的存在でギター、作詞担当の小鳩ミクが、cluppoの名 で新曲「PEACE&LOVE」のミュージックビデオを配信した。BAND-MAIDをフォローしているさまざまなネットコミュニティは直ちにこれに反応、「PEACE&LOVE」はエイプリルフールのジョークなのではとか、BAND-MAID が終わるのではとか、この曲はミクのエネルギッシュな新機軸なのではとか、いろいろな議論が白熱した。

「1」

これらの問いに対する答えは明らかだ。

第一に、この曲と4月1日、即ちエイプリルフールは一切関係ない。「PEACE&LOVE」のように人心を魅了するワイルドでエキサイティングな楽曲がジョークであるはずがない。これは最高に素晴らしいパワーポップだ。 過去50年のパワーポップのビッグアーティストの名を挙げてみよう。Pursuit Of Happiness、The dB’s、Velvet Crush、 Dwight Twilley Band、Tommy Keene、Matthew Sweetそれから敢えて言えばBadfinger 、Big Star あたりだろうか。しかし彼らの曲に「PEACE&LOVE」ほど魅力的で人を惹きつけるものはない。

「2」

第二に、この「ソロプロジェクト」が何かの終わりを表すなどということは絶対にあり得ない。BAND-MAIDはこの上もなく素晴らしい成功を連発している。2018年2月にはアルバムWorld Domination、2019年12月にはConqueror、2021年2月にはUnseen Worldをリリース。たった3年の間に3枚の完璧で卓越したパワフルなアルバムを出しているのだ。

この期間中、BAND-MAIDはそれぞれのアルバムを引っさげてツアーも行っている。アラバマ大学のフットボールチーム「クリムゾンタイド」でさえ、過去12回の全米大学アメフトチャンピオンシップで6回しか優勝していないのだ。彼らだってできればBAND-MAIDに匹敵するような成功を収めたいだろう。BAND-MAIDが活動に終止符を打つなどということは当分なさそうだ。

「3」

第三に、BAND-MAIDのメンバーたちがそれぞれ単独でこんなことができるのなら、彩姫、歌波、茜、そしてミサ（ミサ！ミサ！）のソロプロジェクトも是非ともファンに提供してほしい。 YES、King Crimson、Genesisのメンバーだった稀代の偉大なロックドラマーBill Brufordだってクリエイティブ界を牽引した数十年にわたる活動期間中に、バンドリーダーとして彼の作品のうち最も創造的かつ内省的な曲を出しているのだから。

彩姫のソウルフルでエモーショナルで胸を締め付けるようなソロプロジェクトは想像するに難くない。一方ミサ（ミサ！！ミサ！！！）のソロプロジェクトは、シンプルなパンクロックリフに超絶技巧とファンキーなベースリックを融合させたものになるだろう。そして茜のそれは、ファンダメンタルな4つ打ちロック、ロールビート、アフリカからオセアニアをカバーする最高にエキゾティックなリズムなどの全てを網羅するものになるだろう。さらに歌波、そう最高の天才とも言える歌波のプロジェクトなら想像の及ぶ限りのどんなものにだってなり得るだろう。ファンにこれらを全て、そしてそれ以外のものも提供してほしい。

「4」

以上より、小鳩ミクが「ヒッピーポッポ」と呼ぶ新ジャンルを表現する楽曲をリリースしたのは断じてジョークなどではない。これが新ジャンルなのかどうかを読者と議論する気はない。どう呼んだって構わないのだ。

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